水やりの記録

本や映画などの感想です。自分に水をあげましょう。

『バービー』

映画『バービー』オフィシャルサイト

  • 最初は女性だけ(男性もいるけどほぼ空気的扱い)のバービーランドバンザイ的な感じかと思いきや、バービーランドとリアルワールドの対比させることで、男社会への痛烈な皮肉とともに、女性だけの理想郷を作ればいいってもんではないよね、ということも示されていたのがよかった。女性だろうと男性だろうと、役割にとらわれずありのままで生きられる世の中にしたいものですね。
  • 個人的には、グロリアとサーシャの母娘の物語にぐっときた。人形遊びから置いていかれるのは、おもちゃだけでなく親もなんだなあ。グロリアがバービーたちに家父長制における女性の抑圧を説くところで、サーシャが「ママ、かっこいいじゃん」みたいな表情をしてるのもよかった。親も一人の人間としていろいろ悩んで考えてるんだよ、という姿勢を見せていくことが大切なんだろうなあ。
  • ラストの婦人科に行くところ、初見では、人間になったバービーが女性としての自分の身体を大切にするということなのかなと思ってたけど、他の人の考察を読んで、あれは(妊娠してるかどうかによらず)バービーが次世代に命を繋ぐという営みに前向きになったということを示してるんだなと思った。ルースが伝えたいと思ったことと重ね合わせても、そういうことなんだろう。
  • 人形として完璧な生活を永遠に送るよりも、不条理だらけの人間の世界で生きることの意味とは、というとても深いテーマでした。