ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語 : 作品情報 - 映画.com
- AmazonPrimeで「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」を見ました。
- 若草物語をベースに、少女時代と大人になった彼女たちの姿を交互に描いた作品。基本的に主人公は次女のジョーだけど、他の3人もそれぞれ平等に描かれています。4人の女の子がわちゃわちゃしているのはそれだけで幸せになります。ジョーとエイミーがばちばちしがちで、それをメグとベスがふんわり包み込んでいる空気感がすてきでした。
- 作品全体を通じて、「結婚」というものにどう向き合うかが大きなテーマとなっています。メグはお金はなくても愛のある結婚を選び、エイミーは「結婚は経済」と言い切りお金持ちとの婚約をねらう。ジョーは、自由でありたいと切望し、結婚とは距離を置く。3者3様、どの人物にも共感できるところが脚本の見事さということなのでしょう。
- 中でもジョーは、人一倍独立心が強く、小説で身を立てるために幼馴染のローリー(顔面激つよ!)からのプロポーズも断る一方で、どうしようもないさみしさも抱えている、という点が非常にリアル。結果的にジョーは彼女を追いかけて実家までやってきた学者と結婚することになるのだけれど、本作では、この結末はジョー(=原作者のルイーザ・メイ・オルコット)が出版社の編集者との交渉によって書き換えられたものである、という解釈がなされています。
- 確かに、あそこまで自由であることにこだわったジョーが、いくら寂しさがあったとはいえいきなり結婚に(しかも雨の中、思い人を追いかけるというロマンチックさで!)踏み切るとはなかなか思えない。もちろん、姉妹とそのパートナーで学園を開くというラストも多幸感あふれていてよかったんだけれども。しかし、ジョーはその結末の変更と引き換えに、作品の著作権をしっかりと獲得する。その姿にはなんとも勇気づけられました。
- そして、なんといっても際立つベスの天使性。ベスだけは若くして夭折してしまうため、大人になるということに向き合う時間がなく、そのことがかえって彼女の純粋さを高めているように感じました。ジョーがこの物語を生み出したきっかけも彼女であり、非常に大きな存在。なんだかうまく言葉にできないけど、ああいう美しい人間ほど報われない世の中というのも現実なんだなあと。
【その他気になったこと】
-
4姉妹という設定がやたら魅力的なのはなぜだろう。3姉妹より断然バランスがよい気がする。姉ラインと妹ラインにわかれるからなのかな。ほかの映画だと、海街diaryの4姉妹も大好き。細雪も読んでみたいな
-
これがうわさのティモシー・シャラメか…確かにおそろしく美しい…あのプロポーズを断れるジョーはすごい
-
結婚は経済よ、と自分に言い聞かせて、家計を支えようとするエイミーが末っ子ながら一番大人びて見えてかっこよかった。原作だとわがままな妹、という印象だったけど、イメージが変わったなー
-
ローラ・ダーン演じる母親の存在感たるや。あれだけ包容力があって強くないと、4姉妹の母なんてやってらんないだろうな